認知症を知る

上手く文字が入らなかったので
何度も投稿し直して申し訳ありませんでした。
今回は私が過去に認知症について書いた文章を
投稿します。

Ⅰ 認知症とは
これまでに獲得してきた知的機能の低下により、周囲の状況把握や判断能力が低下し、自立した生活が困難になった状態を指す。物忘れに始まり、次第に判断能力が低下し、周囲が困ることが多くなる。見守りや、様々な援助が必要になり「生活障害」とも言うべき状態になっていく。

Ⅱ 認知症の分類
1 治療困難なもの アルツハイマー型、脳血管性認知症、レビー小体型認知症
2 治療が比較的容易なもの 慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、うつ病

3加齢によるもの
画像診断などで病的な認知症を特定でき、治療できるものもある。しかし、私の経験からは80歳を過ぎると誰もが認知機能の低下は避けられないようである。短期記憶の障害から始まる。最近経験した症例では、自分は元気で、日常生活は自分で十分できるので、リハビリはいらないと言うが、変形性膝関節症が高度で歩行不安定なのにそれを指摘しても、私は自転車に乗って畑仕事に行くと言い張る。「息子が今日会いに来て、すぐ迎えに来ると言われている。」と言ったので、3分後、「今日、ご長男さんは来られましたか?」と聞き直すと、「今日は息子と会っていない。」と答える。このような、御老人とお話するのはとても楽しいことなのだが、認知症そのものを解明したり、完治しないまでも日常生活自立させることは現段階では不可能で、介護施設への移行が不可欠になる。

Ⅲ 対応策
長谷川式認知症スケールは批判も多いが、臨床では現段階で最も信頼できる検査の一つである。確かに、急に今日は何日と聞かれても答えられない時もあるが、健常人は、正確でなくても大体の日にちを答えて正確にはわからないと答えるが、認知症患者に聞くと、うろたえて笑いでごまかそうとしたり、全然わからなく、今が平成であるかどうかも答えられない。これが大きいな特徴で、長谷川式認知症スケールにより、知能レベルの低下により日常生活の自立がどれくらい困難かある程度推測できる。それにより運動機能の機能訓練の指示がどれくらい入力できるかを予測でき、どのように指導すれば機能訓練が効果的に進めることができるかを判断する手掛かりになる。

Ⅳ 認知症の特徴とその対応
短期記憶が障害され、長期記憶は比較的保たれる。医師などの社会的地位の高い人に対してはとても従順で、それに対し病棟スタッフ、看護師、ヘルパーさんなど、自分の生活の手助けをする人たちには症状が強く出て、周辺症状(徘徊、暴言、危険行為など)で悩ますことが特徴である。
対応としては自分の非を認めないので、子供を叱るような対応をするとかえって症状を悪化させる。間違った行為をしても「こんなことがあったね。不思議だね。ご自身のお身体が大事なのでケガなどはしないようにしてくださいね。」など、間違いを正面から否定せず、自分からこの方法の方が良いと無意識に気付かせることが重要である。

Ⅴ 主な薬 参考文献 介護者のための病気と薬がわかる本 雲母書房

1 認知機能障害改善薬 アリセプト
注意点 
服用開始時に吐き気、食欲不振などの消化器症状が現れることがある。
長期難服薬を中断するとその後再開しても効き目がない。
副作用
失神、徐脈、消化性潰瘍、パーキンソン様症状、血圧の変動、急な発熱、発汗

2 脳循環改善薬 サアミオン、シンメトレル、ケタス、セロクラール
脳血管性の場合には、脳の神経伝達機能改善薬を用いて脳血流を増加させ、意欲低下を改善する。
副作用
消化器症状、動悸、めまい

3 行動改善薬
· 幻覚、妄想、興奮などに用いる薬 リスパダール、ジプレキサ、グラマリール、
セロクエル、ルーラン
統合失調症改善薬の抗精神薬や抗うつ薬などを使用するため認知機能を低下させる恐れがある。ジプレキサ、セロクエルは糖尿病には禁忌である。
副作用
立ち眩み、めまい、手足の震え、口が乾く、頻尿、腹痛、体重の急変

· 抑うつ、意欲低下に用いる薬 ルボックス、パキシル、トレドミン、サインバルタ
脳血管性の場合には、脳の神経伝達機能改善薬を用いて脳血流を増加させ、意欲低下を改善する。
副作用
錯乱、痙攣、頻脈、急な発熱、筋肉がこわ張る、ふらつく

4 不眠、不穏に用いる薬 テトラミド、レンドルミン、マイスリー
緑内障には禁忌、飲酒を禁じる
副作用
血圧の変動、頻脈、急な発熱、筋肉がこわ張る、ふらつく

以上です。5年以上前に書いた文章ですが
皆さんの業務にお役に立てれば幸いです。

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